中国ドラマ感想~フクロウとにらめっこ

中国ドラマ・映画を知らない人や、どれを見ようか迷っている人向けに、あらすじや感想を紹介していくブログです。時代劇が多め。あまり詳しいネタバレはしないつもりですが、事前に作品内容を知りたくない方はご注意ください。

中国・華流ドラマ

『晩媚と影~紅きロマンス』感想①

更新日:

男女の愛憎や人の業が、艶やかな映像美と波乱万丈なストーリーで描かれる。

触れたいのに触れられない切なさ、言葉より行動で語られる思いの深さ、そんなプラトニックに惹かれる人ならおすすめ。

初めはトンデモ設定に驚いたものの、話の面白さに惹かれて、いつのまにか完走してしまった。

<マイ評価>
純愛度 ★★★★★
舞台のような美術  ★★★★★
ツッコミどころ  ★★★★★

Cinemartより

基本情報

2018年制作/中国/全36話
原題:媚者無疆/英題:Bloody Romance

あらすじ

唐が滅び、暗黒の乱世となった五代十国時代。貧しい村娘の蘇七雪(そ・しちせつ)は、家族を食べさせるため死体運びの仕事をしていた。

ところが父親は、一握りの粟(あわ)と交換に、彼女を妓楼へ売ってしまう。そこで待っていたのは、高値で取引される「処女の血」として、生き血を抜かれる末路。必死に逃げ出そうとする七雪だが、再び捕まってしまう。

帰る場所を失い無力な彼女に手を差しのべたのは、偶然出会った姽嫿城(きかくじょう)の女刺客だった。新たに晩媚(ばんび)という名をもらった七雪は、生きのびるために刺客になる決意をする。しかしそこには死と隣り合わせの日々が待っていた。

予告

第1話を観るなら

人物相関図

Rakuten TVより

人物紹介

晩媚(ばんび)/蘇七雪(そ・しちせつ)

<リー・イートン>
主人公。かわいい顔に似合わず、たくましいメンタルの持ち主。平凡な村娘から成り行きで刺客になるが、人を殺さなければ生きられない立場に苦しむ。

影である長安とは、多くの危機をのりこえる中で信頼以上の関係になっていく。影との恋愛が禁じられた姽嫿城で、そのロミオとジュリエットのような関係がどうなっていくかは、この作品の見どころの1つ。

長安(ちょうあん)

<チュー・チューシアオ>
晩媚の影。寡黙で有能。一見そっけないが、忠義に厚い頑固者。

「影」は刺客につく護衛のことで、途中で勝手に変えることは出来ないらしい。任務においては女主人をサポートし、日常生活では身の回りの世話や、刺客としての教育を行う。今風に言うなら、お嬢様と執事のような関係か(ただし武闘派)。

長安の場合、晩媚が2人目の主で後がない。従者ではあるが、誰よりも晩媚の近くにいて、生死を共にする運命共同体。

李嗣源(り・しげん)/若様

<ワン・ドゥオ>
ほとんどの人は若様と呼ぶ。姽嫿城の本来の主。目が不自由かつ病弱で、実務は姹蘿(たら)に任せて半ば聴竹院(ていちくいん)に引きこもっている。晋の皇帝の異母兄であり、朝廷では寧王(ねいおう)と呼ばれる。

権謀術数に長けた、冷ややかな麗人。晩媚を見守りつつ利用するが、過酷な状況でも優しさを捨てない彼女にしだいに惹かれ、長年の目的である復讐との板挟みになっていく。たまに側近である月影にも真意がわからなくなるような複雑な人。

姹蘿(たら)

<ジル・シュー>
姽嫿城のもう1人の主。李嗣源こと若様とは、城の実権をめぐって争う仲。残忍で容赦ない性格だが、けっこう単純でもろいところもある。

晩媚と同じ最下級の地殺として姽嫿城に入り、トップまで登りつめた人。自分の影である刑風(けいほう)には心を許している。催眠幻殺(さいみんげんさつ)という、目を合わせることで幻術にかける技が得意。晩媚を嫌い、何かと目の敵にしてくる。

刑風(けいほう)

<リー・ズーフォン>
姹蘿の影。姽嫿城の賞罰を担当する刑堂の主でもある。ほかに、監視役の「千瞳(せんとう)」をはじめとした姽嫿城の情報網や、薬剤も管理している。

姹蘿のことを第一に考えて動く人だが、わりと話の通じる相手。姹蘿の参謀役でもあり、その慎重な性格と良識的な(?)判断で彼女をサポートしている。姽嫿城の実質的な屋台骨はこの人。

姹蘿とは好い仲だが、過去の因縁のせいで完全には結ばれない関係。

Cinemartより

姽嫿城(きかくじょう)について

男女逆転アマゾネスな暗殺組織である姽嫿城。その独特な設定に強烈な印象を受けた人も多いのでは。物語ではさらっと流されがちでわかりにくい姽嫿城の設定をおさらいしてみる。

組織

則天武后(そくてんぶこう)の隠密機関として設立された。もとは謀反を企てた重臣を始末するのが役目だったが、いまでは商売として暗殺家業をしている。

女性優位の組織で、刺客も城主も女性が勤め、従者は男性が多い。湖にそびえる巨岩が本拠地で、二つに分かれた岩の小さいほうに聴竹院がある。大きいほうの岩には、上から順に彼岸殿、吹杏楼、絶殺院などが建てられている。(ドラマ23話より)

女刺客たち

・地殺(ちさつ):1番階級の低い刺客で、色香と知恵で任務を果たす。武術は影頼み。定員12名。

・天殺(てんさつ):地殺の上の階級。武術に優れ、地殺より行動の自由がある。定員4名

・絶殺(ぜっさつ):天殺の上の階級。本来は刺客の中でもただ1人に許される地位のはずだが、現在は流光と月影の2名がいる。月影は若様付きで聴竹院に住んでいるから特例なんだとか。規則上の定員は1名。

城主をトップにしたピラミッド型社会で、階級が上がるほど行動の自由と権限が与えられる。絶殺は城主に挑む権利を持ち、勝てば城主になれる。負けた城主は無残に殺されるらしい。

影と呼ばれる男たち

影とは、女刺客の護衛として任務を助ける男性従者のこと。特に主人が1番レベルの低い地殺の間は、武術が使えないことが多いので、荒事はもっぱら影が担当する。基本は刺客1人につき影が1人つく。

また、姽嫿城に来るまで一般人であった女性を刺客に育て上げるのも役目だ。地殺は女性の魅力と心理攻撃で油断させるタイプなので、教育も女磨きに重点が置かれている。刺客としての生活は、書画や音楽、舞などの教養や相手の心を読む技術などを、初対面の男性に手取り足取り教わるところから始まるわけだ。

ほかにも次のような基本ルールがある(たまに城主権限で例外も)。

・影は1人目の主人が死んだ後、7日以内に新しい主人を見つけないと殺される。2人目の主人が死んだ場合も、能力不足ということで殺される。 

・影を替えていいのは影が死んだ時だけ。

・主人は影を叱る権利があるので、影は主人の許可なしに自分の傷の手当をしてはいけない。

・刺客と影は男女の仲になってはいけない。もしそれがバレると、主人は殺され、影は死ぬよりひどい目にあう。

Cinemartより

紅魔傘(こうまさん)

地殺になると与えられる特別な傘。1人殺すたび傘に血を吸わせると紅くなり、金色の花「血湧金蓮(ちゆうきんれん)」が咲く。

血湧金蓮が10個咲いたとき、10番目の花にいる血蟲(けっこ)を体内に入れると、気力が高まり武術を使えるようになる。これが天殺に昇格する方法。

※中国ドラマには、体内の気力が高まると武術や治癒力がパワーアップするという不思議な設定がよく出てくる。道教的な中国武術の考え方が基になっているようだが、もはや別物というか、飽くまでドラマの中の話。

気力を高めたり人を操るといった、さまざまな種類の蟲がいる。毒や薬代わり、武術を高める用途など、姽嫿城では蟲を使った技が発達しているようだ。この作品のファンタジー要素の1つ。

建物

・雲璟館(うんけいかん)
姽嫿城に来たばかりの新入りが使う。地殺になると地殺院に移る。

・砕骨子軒(さいこつしけん)
医者がいて薬剤を管理・調合する場所。緑の建物で、刑堂主の管轄。
任務に失敗すると薬を与えてはいけない決まりがある。

・き骨閣(きこつかく)
化粧師や裁縫師がいて、仕事や日常に使う衣服、小物を用意してくれる。
白の建物で、絶殺である流光の管轄。

・吹杏楼(すいこうろう)
城主である姹蘿の居場所。謁見にも使われる。

・聴竹院(ていちくいん)
李嗣源と従者の月影が住むところ。

・彼岸殿 
刺客たちの墓標代わりに紅魔傘がつるされている。影は入れない特別な場所。

Cinemartより

キャスト・スタッフ

キャスト

晩媚/蘇七雪: 李一桐(リー・イートン)「射鵰英雄伝 レジェンド・オブ・ヒーロー」

長安: 屈楚蕭(チュー・チューシアオ) 「孤高の皇妃」「流転の地球」

李嗣源/若様: 汪鐸(ワン・ドゥオ) 「幻城 〜Ice Fantasy〜」「破陣子(原題)」

姹蘿: 徐潔児(ジル・シュー) 「イルカ湾の恋人」

刑風: 李子峰(リー・ズーフォン)「武則天-The Empress-」

流光: 郭雪芙(パフ・クオ) 「恋する、おひとり様」「王子様をオトせ!」

月影: 馬歌(マー・ゴー) 「王子咖啡店」


スタッフ


監修   :シュー・ジーチョウ

プロデューサー:チャン・ウェイ

演出   :イー・ジュン

原作・脚本:バンミンバンメイ

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